どこカルパソス島は古代ギリシャにあった?
ギリシャ・イタリア生活日記 地中海とカフェ物語Diary ギリシャ:今日の出来事
晴れで強風☆今日の日記はテーマが大きすぎて、ちょっとのつもりが長編になってしまいました!なので、じっくり読める方に・・・
ギリシャ北方のカヴァラ、ドラマ、クサンシ地域で、政党パソックからイスラム教徒の女性弁護士が、複数の県を統括する知事に立候補しているということが今日の大きなニュースになった。
そして昨日テッサロニキを訪問していた、トルコのエルドアン首相が、ギリシャのカラマンリス首相に、トルコではギリシャ正教の教会の活動を認めたのだから、アテネにある歴史的なジャミ(イスラム教モスク)2箇所の活動を認めて欲しいということを伝えた、ということも今日のニュース。
ちょうどイスラム教にからむことが重なって話題になってい� �ので、今日はギリシャ人と宗教についてちょっと。
ヨーロッパ共同体からも政教分離するように求められているギリシャでは、ギリシャ正教の扱いをどうするべきか、というので意見が分かれている。
リトル·マーメイドコペンハーゲンはどこにあるの例えば日本の文部省にあたる教育を統括する省は、ギリシャでは教育・宗教省という。学校ではギリシャ正教の授業が義務であるだけではなく、高校までの学校教育期間、全てこの省に認められた教科書しか使えない。つまり教会が認めないもの、「ダーウィンの進化論」のようなものは教えられないので、古代の歴史では、ホモ・サピエンス前の「旧人」、「猿人」などという単語の代わりに、「人間(!?)は木の上などで生活をしていました・・・」というような理不尽な文章になっているという。
これは以前、新聞の記事で同じギリシャ人が批判していたので知った。教育の自由(?)、つまり教会の管轄外の自由が認められているのは、大学� ��育だけということなので、大学に行かないたくさんの人たちは、ちょっと偏った教育を受けていることになる。
国の行事には必ず聖職者が参加している。国会の就任行事も聖職者と共に行われる。など、ギリシャという国はギリシャ正教なしには考えられない。それに教会は実際に力も持っている。ギリシャの国の資産より教会の資産の方が大きいなどという噂も聞いたことがある。
ここで、ギリシャのコザニの街は何ですか?現代的な考え方を持っている政治家はたくさんいて、もちろんその政治家たち全員がギリシャ正教徒であるけれども政教分離を当然とする派と、保守的にギリシャはギリシャ正教あってこその国、ギリシャのアイデンティティーはギリシャ正教である、とする派に分かれている。この問題はとても複雑。政教分離に反対するのは、ただ保守的に頭が固いのではなく、トルコの支配があまりにも長かった歴史が背景にある。トルコの圧政時代にギリシャ人がギリシャ人であることと、ギリシャ語を失わずにこれたのは、唯一この宗教のおかげであるからだ。
それでも、ギリシャにはクサンシ、アレクサンドルーポリなど、トルコに近い地域で、イスラム教徒がたくさん住んでいる。今回イスラム教との女性弁護士が立候補しているのはこの地域の一部にあたる。
彼らは普段家族でトルコ語を話し、トルコのテレビを受信している。身分証明書はギリシャ国民としているけれど、ギリシャ人は彼らのことをトルコ人と呼んでいる。この地域のことは、昨年二つもテレビドラマが放送されていて、大分知ることができた。
この地域では、ギリシャ語を話すギリシャ人たち、このトルコ語を話す人たち、と別れて固まって住んでいる。家庭では女の子だと教育が重要だと思われていなくて、学校になかなか通わせてもらえないというよ� �なシーンもあった。一つのドラマではアテネ出身の大学生がこの地域の学校の先生をしている男性と恋に落ち、彼は自分の出身を隠して、名前も変えギリシャ人と偽る。それがある日ばれて、彼女には大学の友達も近づかなくなるし、彼女の親も許さなくてという悲劇のストーリー。
もう一つは、撮影中にトラブルが。トルコでは聖なるイスラム教の行事の日に、偶然ジャミ(イスラム教のモスク)のそばで雨のなか撮影をしていたら、その女優さんの服が薄すぎたとかで、しかもジャミのそばに近づきすぎたので、イスラム教を侮辱していると解釈した若者達が撮影クルーを襲って、車もめちゃめちゃにされ、俳優さん達も命からがら逃げたという事件があった。
そうやって、宗教での対立が生なましい部分をみることがあるとはいえ、音楽の分野では有名な歌手が行き来するなど交流があるし、今年のリアリティ番組フェイム・ストーリーではトルコ人の男女も初めて参加している。昨年始まったトルコのTVドラマも大人気。そのドラマのおかげで、宗教以外の面では、顔も習慣も似たところがたくさんあるというのを、一般のギリシャ人も認識してきていると思う。
身分証明書の宗教表示がなくなったのも、多分ヨーロッパ共同体の圧力があったからだと思うけれど、その第一歩から始まって、少しずつでも自由化が進んでいっているように見える。
ギリシャとトルコの間の感情というのは、過去の歴史によるものだから、日本と韓国の� �係に似ているのかもしれない。
ヨーロッパ諸国の中では、ギリシャはアラブ諸国とも仲良くやっている唯一の国なので、宗教による壁がそれほど大きいとは思えないし、なんといっても民主主義の発祥地なのだから、時間はかかっても、過去を乗り越えて宗教の自由を認めるようになっていってもらいたいと思う。
☆追記☆
昨夜、テッサロニキの主教(聖職者の位で、テッサロニキの教会全体の長)が、映画「ダ・ヴィンチ・コード」を見ないようにと、テレビで忠告していた。もうずいぶん前から本はギリシャでもベストセラーで、今ごろ映画だけ見ないようにと言っても・・・という感じなのだけれど。
今週この「ダ・ヴィンチ・コード」や、最近ナショナル:ジオグラフィックから発表になったばかりの、"解読された古代文書ではユダが裏切り者ではないことが書かれている"という話の二つに絡んで、MEGAという民放チャンネルで面白いドキュメンタリーもあった。
その中では、バチカンもギリシャ正教も見ないようにと禁止していた、ギリシャ人作家カザンザキス原作、マーティン・� ��コッツェージ監督の「最後の誘惑(☆原題は「キリストの最後の誘惑」)」(1988)という映画が公開されたとき、ギリシャでどんなことになったかの映像もあった。そこでは十字架を掲げた人々が映画館の外へデモでおしかけてすごい騒ぎになっていた。
今回はさすがにそれはなさそうで安心。テレビでも、ものすごく宣伝されていて、みんな(若い人々は)見るのを楽しみにしている。
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